感覚を拡げる日本酒2

日本酒好きが講じて、感覚を取り戻した経験を書いています。

1回目の続き、最終編。

1回目はこちら

目 次

美味しさを内に探す

美味しさは「味」と信じていた時、 お酒を求める際は、甘口や辛口、淡麗や濃醇と聞いた、評判も調べました。 それにも意味はありました。

 

「お酒が冷えていると、味はわかりにくい」

美味しいは、味だけではないと気がついて、意識が変わりました。

「美味しいお酒はどれか?」ではなく「私は、どんなお酒を美味しく感じるか?」

外でなく、内に探し始めました。

自分のことが一番分からない様です。

 

 「自分は、どんなふうにお酒を飲んでいるか?」

スタイルを見直すことが、美味しさの鍵ではないか?

お酒を飲む時、つまみをほとんど食べない人が居ます。

また食事が主でお酒は従、食事と一緒に楽しむ人が居ます。私は後者です。

料理を引き立てる脇役タイプのお酒は、試飲しても印象が薄くなります。

 

自己主張が弱いので、美味しかったけれど、見過ごすことになりました。

私の美味しいには、なかなかたどり着かなかったのです。

最高ランクのお酒を試飲する経験を経て、私は自己主張のあるお酒より、脇役になれるお酒が好きと気が付きました。

食事に合わせるタイプのお酒を美味しく感じる。

お酒が主になると、食事は進まなくなります。

なんとなく飲めて食事が進み、豊かになるお酒が好きです。

 

脇役といっても、何を食べるかは重要。

それが蕎麦と豆腐なのか、中華や焼肉かで、お酒の印象もガラリと変わります。

「蕎麦と合わせるお酒」、「肉料理と合わせるお酒はありますか?」 という聞き方は、

食中酒を探すのに 役立ちます。

 

それに、答えられる酒屋を選ぶ必要はあります。

県酒造組合が毎年秋「地酒まつり」という日本酒の試飲会を行っています。

静岡の組合は、静岡と東京で地酒まつりを開催しています。

昨年はコロナで中止になりました。

そこでは参加費だけで、全ての蔵の最高ランクのお酒、純米大吟醸や大吟醸など試飲することができました。

高いランクのお酒は、美味しく高揚感もあります。

食事が不要と思うほどの、存在感や自己主張も感じられます。

3杯も飲めば分からなっていますが(笑

美味しいはファジー、一度の印象で決めないこと。

一番を決めようとしないことが大事です。私は雰囲気で変わってしまいます。

 

日本酒には四合と一升瓶があります。

私は一升をお勧めします。飲み進むうちに、どんどん印象が変わるから。

飲めないと思っても、燗 (温めて)どうか?  それでも駄目なら料理酒に使えます。

感覚を開く道

飲んだお酒が、本当に美味しいと思えるといいですね。

人と出会う様に、お酒も出会いの一つ。

素敵な出会いもあれば、そうとは言えないこともあります。

素敵な出会いのために、アドバイザーに出会うのは近道です。

日本酒のシーズン、新酒は 11 月頃から立ち上がり 3 月頃までが旬の季節。

特に冬や春は、日本酒を飲んでほしいと思います。

みなさんの疑問に答えるため、二つの悩みにお答えします。

 

Q. どのお酒を選んでいいのか分からない?

A.お酒を探すのではなく、酒屋を探しましょう。

良きアドバイザーに出会うためです。ネット検索の精度は高くなっています。

「日本酒 酒店 地名」で、ほとんどの店を探すことができます。

私がお勧めする酒屋は、扱うお酒の半分以上が日本酒、その半分以上を冷蔵保管している店です。

(冷蔵庫は隠れて いるかもしれません)

スーパーや通販で買うことは勧めません。

お酒を探すヒントを書きました。アドバイザーが居て、 的確な質問をすれば、的確な答えは得られます。 美味しい地酒は、その地方で消費され、他の地域にまでなかなか出回りません。

スーパーに出ることは稀です。 お酒には定価がありますが、通販などプレミアがついたものや、全国的な有名銘柄は、対象から外すといいと思います。

地元のお酒から選ぶ。また酒屋さんによって、地方のお勧め蔵の取扱いがあります。

値段で選ばないこと。一般的に、日本酒は他のお酒より少し高め。4合1400 ~3000円程、一升3000~5000円程の「純米吟醸」または「純米大吟醸」から選ぶのは無難だと思います。

 

Q.日本酒は悪酔いしそう

A . お酒を飲む時、一緒にお水も飲みましょう。

飲みすぎないのは基本ですが、お酒とともに、お水も飲むのが方法になります。

また美味しいお酒を選ぶことも悪酔いを防ぎます。日本酒のアルコール度数は、15~20%前後。ビールに比べて高いもの。

日本酒には、和ぎ水と言う飲み方があります。

焼酎やウイスキーを飲む時には、チェイサーといって水を用意します。

日本酒も同様、お酒を飲んだら、水も飲む。それによりアルコールの排出を促して、悪酔いを防ぎます。 蔵元に試飲に行くと、お酒を作った井戸水を出してくれます。

それが「和ぎ水」。また理解のある居酒屋さんは、最初からお水を用意してくれます。

添加物は悪か?

 居酒屋メニューに、日本酒が一つ載っていて、頼んだら不味かった。そんな経験をされた方はいるかもしれません。

味覚が敏感で、アルコール(添加物)を感じたからだと思います。

私は日本酒を少し知っているだけですが、添加物の話をします。

日本酒は蒸したお米に麹菌をふり、水を入れて醗酵する。(行程はいろいろあります)

シンプルだから、ヤマタノオロチの時代から飲まれていたのだと思います。

日本酒の添加物は「エゴ」に例えることができます。
ない方がいい、値段で決める、意見は分かれるかもしれません。

世の中に出回る日本酒は、添加物の無いもの、有るもの半々といったところ。多くのお酒に添加物が使われるのは、メリットが大きいからでしょう。

代表的な添加物に「醸造アルコール」があります。

使われる目的は「お酒の品質向上」と「製造コストの削減」。

サトウキビやトウモロコシから作られた、甲類焼酎と言えば、わかりやすいかもしれません。

醸造アルコールを多めに入れると、お酒の価格は約30%は安くなります。

知らない売り手は、低価格のお酒を積極的に売る。 知らない人は、価格で選んでしまうから。

普通酒、本醸造、多くの居酒屋で出されています。

また醸造アルコールを少量入れると、香りが立ち、お酒が安定して、キレが良くなります。

価格的メリットは、ほとんどない。大吟醸、吟醸酒と呼びます。

大吟醸、吟醸酒、本醸造(特別本醸造)、普通酒、差はありますが、アルコール添加されています。

敏感な方は、醸造アルコールの入らないものから、飲んでみることを勧めします。

純米大吟醸、純米吟醸、純米酒(特別純米)、名前に「純米」と付くものは、アルコールの添加がありません。

私は、純米酒と吟醸酒、飲み比べても面白いと思います。

どちらか分からない様に比べると、最初の一口は、アルコールを感じても、2 杯目以降、添加さたれものを、辛口で美味いと言ったりするかもしれません。

日本酒は温度によって、味が変わります。

ランクの低いお酒は、燗(40°~50°)温めて飲むと美味しくなったりします。

温度による飲み方の解説がラベルに書いてあることは多い。 冬の寒い日は、温めて飲むと、アルコール添加もいいと思うかもしれません。

 

好きな飲物を注意深く、味をみることで、感覚は研ぎ澄まされてきます。

感情と感覚は、同じ根にあります。

私は感覚を拡げることで、感じ方が拡がりました。

 

以上 モトでした。

 

 

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